[ウェブガク(Web学)](13時限目:今さら聞けないホームページの著作権)


今さら聞けないホームページの著作権。ホームページの著作権は誰にあるでしょう?お金を支払っているのだから、支払った側でしょう?と思ったあなた(あなたの会社)の著作権はもしかしたら、あなた(あなたの会社)に帰属していないかもしれません。今回のウェブガクでは「今さら聞けないホームページの著作権」について講義していきます。※法律関係の専門家の方がご覧頂いてご指摘ある場合はご教授いただければ幸いです。


【ウェブガク(Web学)とは?】 今日から使える、これからの自分のため、仕事のために、学んで損はない[ウェブガク(Web学)]今さら聞けないけど、やっぱり知っておきたいウェブの色々なことをウェブ業界15年以上のNODASTAGE教授が分かりやすく講義していきます。





【本日のテーマ】

〈今さら聞けないホームページの著作権について〉

自社のホームページなのだから当然、著作権の権利は自社にあるだろう、そう思っている企業は多いと思います。


この権利関係については、依頼側の企業もそうですが、ホームページを制作する制作会社の方もあまり意識を持っていないのがウェブ業界だったりします。大抵は企業側が著作権を主張すればホームページ制作会社も「譲渡します」という話になると思います。


しかし、ホームページ制作会社によっては、様々な理由から譲渡しない場合もありますので、依頼側もこの辺りを知っておく必要があります。


今回は「今さら聞けないホームページの著作権」ということで講義していきたいと思います。




では、


ホームページの著作権は制作費用を支払ったら、自動的に依頼者側に譲渡されるものでしょうか?




いえ、


著作権は著作物を作った人(コンテンツ制作者(制作会社))に帰属するので、費用を支払っても「著作権譲渡」の契約を結んでいないと譲渡されません。


また、


ホームページを構成する要素それぞれに著作権が発生していることを忘れてはいけません。


・ウェブデザイン(ホームページデザイン)

・文章(文章コンテンツ、記事やコラム)

・キャッチコピー

・写真やイラスト、動画



これらそれぞれに著作権が発生しています。譲渡契約の場合はこれら要素で構成されるホームページとして譲渡してもらう必要があります。


写真や文章などを依頼側で用意し、提供した場合はそれら写真や文章は元々依頼者側にあります。


但し、自社で写真や文章の用意ができないので、ホームページ制作会社に依頼した場合は、当然制作会社側に権利が発生します。


またホームページ制作会社が「フリー素材」を利用する場合、その「フリー素材」の提供会社に権利があったりするので、ホームページ制作が「フリー素材」会社とどのような契約を結んでいるか確認が必要となります。


※フリー素材と一言で言っても、「著作権フリー」や「ロイヤリティフリー」など広いため、条件の確認や使用範囲が必要となります。




続いて、


著作権が譲渡されていないと何が問題になるでしょう?

いくつか問題になる要素があります。


[更新や修正が自由にできない]

制作したホームページ制作会社(著作権保有者)以外で更新ができなくなる可能性があります。制作したホームページ会社に依頼すればいいですが、更新費や自由度を求めて、自社で更新したり、更新専門の会社に依頼しようとすると、NG(著作権侵害)になってしまうと主張されるケースが考えられます。※これについては怒りが込み上げてくるかもしれませんが、制作会社側にもそうする理由が存在したりしますので、下部(補習で説明しますね)


[会社案内パンフレット等への転載ができない]

ホームページで使用した写真やコンテンツ、デザインを利用して、会社案内やパンフレット、社内報等へ転用したいが、転載は不可。※著作権はホームページ制作のままなので、転載については勝手に行うことはできません。また「フリー素材」利用の場合、フリー素材の提供会社の条件により、2次使用禁止などの場合もあるので、注意が必要です。


[競合他社に同様のコンテンツ提供される]

レアなケースでホームページ制作会社に相当の悪意が無い限り、あり得ないと思いますが、競合他社に同様のコンテンツを使ってホームページ制作されても主張が難しい。※著作権というよりは倫理の問題ですが、可能性がゼロではないと思います。当然自社で用意したオリジナルのコンテンツ(文章や写真)を使用されている場合は権利は提供側ですが、テンプレート化されてしまって、それを利用されるケースも考えられます。



【今さら聞けないホームページの著作権についてのまとめ】

権利関係は日本においてはまだまだ意識が低く、ホームページの著作権についても、依頼者である企業側にもホームページ制作会社にも、まだ認識が薄いものだと思います。


しかし、折角作成した[ホームページの著作権が自社にない?!]と知ったら、驚き困惑されることになるでしょう。


そうならないためには、


ホームページ制作の契約締結時に権利関係を明確にしておくことが重要なポイントになります。


また依頼者として、ホームページにも権利が発生している著作物であることを認識する必要があるのです。


ただ、注意したいことは、著作権譲渡しない、できない理由もある可能性がありますので、[無償で権利を譲渡しない(有償なら可)]のか[正当な理由で譲渡できない]のか、何ができて・できないのかの話し合いを制作側としっかり確認することが重要です。


ホームページ制作の費用がどこまでのものが含まれているかを知ることがトラブル防止となりますし、費用が安い/費用が高いにも(=なにかしら理由がある)可能性がありますので、業者選定の際も色々な角度から選定することをお勧めします。


※著作権譲渡に関するケースについては[補習講義]でお伝えするので、時間が許すようでしたら、以下[補習講義]で学んでみてください。



それではそろそろ3分経ちますので、今回のウェブガク(Web学)[今さら聞けないホームページの著作権について]は以上となります。今後の自分のため、仕事のためにウェブガク(Web学)情報をお役立ていただければ幸いです。


     ↑↑↑ ここまででウェブガク(Web学)3分講義 ↑↑↑


今さら聞けないホームページの著作権についての3分講義は以上ですが、もっと学びたい方への補習講義は以下をご覧ください。





【今さら聞けないホームページの著作権について(補習講義)】

さて、ホームページの著作権について学んだところで、まだまだ腑に落ちないことが沢山あると思います。


そこで、補習講義では、ホームページ著作権に取り巻く事案を説明していきたいと思います。


まず、


ホームページ著作権について譲渡されないケースがあるには理由があり、幾つか知らなければならないことが存在します。


まずは、[ホームページの作り方(構築方法)]です。



[ホームページの作り方(構築方法)]

ホームページの作り方(構築方法)は大きく分けると2つあります。

① オリジナル制作(オーダーメイドやスクラッチと言います)

② テンプレート制作(テンプレ制作と言います)


オリジナル制作の場合、各依頼毎にデザインやHTMLで作っていく制作方法となります。そのため、デザインや仕様にも自由度もあり、家で言うと、注文住宅のような作り方。依頼側の要望を踏まえて制作するので、制作費も高め。ツール(ワードプレスのようなCMS)で構築するケースもあるし、全て依頼側に合わせてHTMLで組み上げるケースもある。


テンプレート制作の場合、建売住宅やプレハブ住宅のように既成のデザインや枠組みを基に制作していく方法。比較的安価に制作することができることがメリットであるが、各種制限がある。Web制作ツールを以て制作するケースや自社でシステムを構築しているケースがある。


勘の良い方は気づかれたかもしれませんが、


テンプレート制作の場合、その仕組み自体の権利をクライアントに譲渡してしまうと、逆に制作会社が利用して制作することができなくなってしまうため、著作権を譲渡できないというケースです。


また、このテンプレート制作の使用権の提供で費用を安くしているため譲渡できないということもあります。


これらの場合は、致し方ないケースもあるため、出来る範囲を契約書内に[但書]などで記載しておくことができるかの話し合いを持つことをお勧めします。




次に、


[業界の常識]



ウェブ業界は、まだ歴が少なく(1992年の日本初のホームページから2000年前後のITバブル時期に企業がホームページを作りだしたので、30年そこそこの歴史)契約関係や権利関係に疎いホームページ制作会社が多い事実があります。また制作したホームページの権利を譲渡してしまうと他のホームページ制作の仕事ができなくなってしまうという想いから業界的には権利譲渡は考えられないということもあると思います。また、クリエイター志向の強いホームページ制作会社の方の場合、ホームページを[作品]と捉えていて、絵画などの芸術作品同様に作品は販売しても[作品]自体の権利は制作者に帰属すべきであるということで譲渡という概念がない場合もあるかと思います。




最後に


[契約対象]です。



今の時代はほぼ無いものになりますが、ホームページ(ソフトウェアとして)をリース契約するという契約内容の場合です。この契約形態は10年以上前に社会的問題になったこともあり、リース会社自体がホームページリースをNGにしているため、ほぼあり得ないものではあります。


リース契約自体が悪い訳ではなく、3社契約(依頼側、制作会社、リース会社)になり、所有権やその他の権利が制作会社からリース会社に譲渡されるため、権利はリース会社に帰属します。


リース契約終了後も再リース契約により、ホームページの利用は可能ですが、権利はリース会社のままです。


これに似たクレジット(割賦)分割契約がありますが、クレジット契約の場合は支払い完了後にホームページと権利は譲渡される内容になります。(一部そうならないケースがある可能性があるため、契約時に確認されてください)




以上がホームページ著作権に取り巻く事案の補習講義でした。


依頼者側で[制作費用を抑えたい]という気持ちは重々分かりますが、【安かろう、権利なかろう】にならないために著作権の存在と権利を譲渡されるコストも想定しておいた方がいい時代になったのかもしれません。


本日も受講、お疲れ様でした。


この学びを踏まえて、あなた自身のため、仕事のためにご活用いただければ幸いです。またウェブガクでは受講生の皆さんのビジネスの役に立つウェブ情報の無料配信も始めています。以下もご覧下さいね。